かつて

この街には、江別商人と呼ばれる人々がいた

 

桶やざる、ほうきなどの日用品を扱う荒物商

化粧品、装身具、袋物、箱物を扱う小間物商

雑穀商、酒造業、菓子商、呉服太物、旅人宿

質屋、湯屋、汽船乗客貨物、鉄道貨物運送所

そういった店が軒を連ねて日々を営んでいた

 

二河川と鉄道による貨物輸送要衝の町、江別

往来には活気が満ちあふれ、人々の声が響く

劇場、寄席、理髪、飲食店、妓楼が建ち並び

大工、左官、刃物鍛冶、金物師、瓦職人たち

そういった腕のいい職工が町を闊歩した時代


大正四年、(株)ながかみの創業者である永上シナヲは、江別美原の厳しい大自然のなか、農家の一男四女の末娘として生まれました。畑の世話や家事手伝いに追われた少女期。仕立屋をする姉の手伝いをしながら学校に通った、女学生時代。強い日本へ生まれ変わろうと、放物線を描きながら急成長する北海道にあって、ここ江別の十二戸通りに並ぶ商店街の賑わいに、伸びゆく商業の原点を見たのかもしれません。

「世間さまの言葉は、自身への注意と励まし」

戦中戦後の混乱を乗り越え、さまざまな逆境に耐えながらも、人と人との信頼を貫くことが商売をする者の基本であると、その信条は最後まで変わりませんでした。(株)ながかみは、この創業の心を旨とし、これからも地域の皆さまとともに新しい時代を歩んでまいります。変わらぬ想いは、変わらぬままに。江別商人の気概と温もりを受け継ぐためにも…。